創業明治33年 カステラ御三家、創業120年を超える文明開化の時代にはじまった文明堂総本店のカステラ。(長崎県産品取材編:長崎市)

「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」のCMでもお馴染み

文明堂総本店は「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂」のCMでもお馴染み、カステラ、和菓子を製造・販売する老舗です。1900年(明治33年)に長崎で中川安五郎が創業し、実弟の宮﨑甚左衛門(じんざえもん)が東京に進出させ、製造革新と斬新な販売、広告によって全国的に知られる暖簾となりました。

今回は、文明堂総本店で18歳当時から44年勤務されていらっしゃる五島列島福江市出身の長崎本店営業部、営業部長、三尾秀利(みおひでとし)さんにお話を伺いました。大阪にも勤務していたことがある三尾さん。三尾さんから見た長崎はどんな町なのかお伺いしてみました。

文明堂総本店は「長崎のシンボル」

「長崎は海が見えて、山が見えて、自然と心のゆとりが生まれるような自然に恵まれた町だと感じますね。歴史的な背景も多く含んでおり、文明総本店から歩いて数分の場所には出島があり、グラバーさんが作った線路もあります。そういったこともあり、歴史観点での旅行客のお客様や修学旅行生も多く訪れて下さいますし、昭和27年に建立された文明堂総本店の建物は長崎市江戸町のシンボルのようにおっしゃっていただくお客様もいらっしゃいます。」

集合写真は私たちが2018年〜2019年に島原酪農業協同組合さんの企画提案をさせていただきました「ソフトクリームCOFFEE」の際に撮影させていただいた時の写真です。当時の趣が残る、この場所で撮影しよう!という声がメンバー一同揃ったのでした。

「おやつ」の概念をつくった文明堂総本店

製造革新と斬新な販売広告戦略を打ち出してきた初代中川安五郎氏の英才ぶりは有名で、大正3年頃、当時ではまだその時代では珍しい取り組みとして、文明堂総本店のロゴの公募をしてみたり、自ら山高帽をかぶったり、新聞記事を逆さまに表現してみたりと現代の広告宣伝にも劣らない発想でこれまでの文明堂を築きあげられてます。

「当時は『おやつ』という概念がなく『おやつ』というフレーズをも作ったお方なのではないでしょうか」と三尾さんは創業者である中川安五郎氏のことを語っていらっしゃいました。

まずは、一番の売りであるカステラについてですが、文明堂総本店さんのカステラはしっとりとしていて、弾力性のあるカステラが特徴的ですが、その秘訣はどこにあるのでしょうか。

文明堂総本店のしっとり感と弾力性の秘密は地元を応援する気持ちと愛情

材料は自分たちで確認できる原材料しか使わないようにしています。国内産はもちろんのこと、九州内、できれば長崎県産の原材料を使用するスタンスにこだわっていまして、卵は文明堂のカステラ専用で「南蛮卵」という卵を島原半島の雲仙市で養鶏してもらっています。香りは卵の新鮮さから生み出されており、食べたときの食感はしっとりしていてなおかつ、すこやまさがない食感を目指しています。小麦粉は熟成させた小麦粉を使用しており、随時、熟成状況を確認しています。」

文明堂総本店のカステラのしっとり感と弾力性のある食感を生み出しているのは、もち米の水飴を使用していることが秘訣。佐賀県産や熊本県産のもち米を使用している。

「地元を応援したい気持ちを優先し、文明堂のカステラに合う原材料を常に探求しています。」

と九州を応援したい気持ちと愛情に溢れるものづくりが垣間見えました。

そして、今回掲載いただいている桃カステラですが、このお菓子ができたのは中国と日本の文化融合という背景からとのこと。また、中国では桃が不老長寿を意味することもあり、お祝いやお祝いのお返しによく使っていただいているそうです。そんな文明堂総本店ならではの桃カステラのこだわりをお聞きしました。

職人さんたちのこだわりが美しさを生み出す

「長崎発祥のお菓子として、全国に広げたいと思ってます。県外のお客様にはまだ、ほとんど知られておりません。全国に広げるために「もっとおいしく、もっときれいに」ということをポリシーにしており他の桃カステラと比べても一番うつくしいと自負しております。特に葉の部分は通常は型抜きで行うのが一般的なのですが、当社は両葉、右側、左側と別々に作っており美しさを追求する職人さんたちのこだわりが商品に現れております。味はカステラ部分と本段部分を一緒に食べてもらうことを考えカステラ部分の甘みを抑え、本段はしつこい甘さを作らないということを意識しており全体のバランスを考えております。普段は完全受注制ですが、ランタンフェスティバルの時期から3月半ばぐらいまでは店頭即売も行なっております。店頭では大と小もあり、小は「姫桃菓」という名で販売しており、お茶菓子としても人気です。これも創業当時同様、商品名も十数年前に公募を行いまして4,000人前後の応募がありました。」

お話をお伺いしていて、これまでの文明堂総本店の味と、長崎の文化や歴史、そして、その背景に合わせた広告戦略を脈々と受け継いで行かれている文明堂総本店のカステラは「長崎の味」と言っても過言でありません。

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