長崎とヨーロッパが繋がった時代「バロック」バロックの「いびつな」美しさ、美しく儚い芸術歌とリュートの響きでむかしの世界へ導きます。
16世紀の南蛮貿易でもたらされた音楽を歴史的な土地で演奏する。
イベント(演奏会)内容:16世紀、日本にやってきたヨーロッパ諸国の人々。キリスト教の伝来をはじめ、貿易とともにたくさんの文化を日本に伝えました。音楽もそのうちのひとつです。長崎に入った南蛮文化、長崎街道を通り京の都に伝わった道中に、もしかしたら宿場町である千綿・彼杵でも、400年以上前の人々がヨーロッパの文化に触れていたかもしれません。そのような歴史的にとても意義のある土地での演奏会となります。
東彼杵町在住のリュート奏者・井上周子が専門分野である16世紀から17世紀初頭のヨーロッパの音楽を、古楽(中世・ルネサンス・バロックなどを歴史的な見解で演奏する)のソプラノ歌手アクセル・ベルナージュをフランスから迎えての演奏会です。南蛮文化として長崎から日本に入ってきた音楽や、その当時のヨーロッパの音楽、天正遣欧使節が現地で触れたであろう音楽、また時の太閤秀吉公の御前演奏で演奏されたであろう音楽を、演奏します。
※リュートとは… 絵画にもよく見られる琵琶に似た形の弦楽器。中世、ルネサンス、バロック時代のヨーロッパで非常によく弾かれていた楽器。起源は中近東のウードという楽器で、シルクロードを通り日本に伝わったものが琵琶、ヨーロッパに伝わったものがリュートをなりました。日本には南蛮文化とともに持ち込まれ、天正遣欧使節のひとり中浦ジュリアンが弾いたと言われている。日本の古い絵画にも描かれ、また鎖国後も長崎の出島では弾かれていたと記録にある。
歌とリュートの演奏会
リュートと一番よく合わせる楽器は「声」。声も楽器。
「リュート」が古楽器なように、歌にも「古楽唱法」がある。クラシックの声楽、オペラやベルカントとはまた少し違う声楽。
発声と同じくらい、とても大切にしているのは「語る」こと。「朗詠」の向こうに「歌う」という動作がある感じ。詩を詠む、祈りの言葉を誦む、演説をする、どれも相手に届くように言葉をひとつひとつしっかりと声にしているときです。
なにか伝えたいこと、素敵なこと、悲しいこと、嬉しいこと、美しさに見惚れたこと、祈ること、願うこと、想いを言葉にしていくときに、語ると同時に載せてみたメロディーが音楽になって、聴いているみんなに届く。
言葉を持っている音楽は歌だけ。演奏会では古い古いイタリアやフランス、イギリスの音楽を演奏します。ルネサンスやバロックとよばれる時代の曲。500年前、400年前のひとたちは、どんな想いを歌にしていたのか…でも、私たちとは違わなくて、恋の歌や人生の歌、お酒の歌、美しいものを讃える歌、お祈りの歌などなど。そんな歌の数々を演奏します。
メインプログラム
シャルパンティエ:怖いものもなく、この森
パーセル:バラの花より芳しく
モンテヴェルディ:我は野の花
メールラ:聖母マリアの子守唄
などなど…