”菌ちゃん農法”で元気に育つ。 東彼杵の”野田組野田家”の『有機野菜』

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東彼杵町の明るく笑いが絶えないご夫婦が作る、旨味も栄養もたっぷりな安全安心の野菜

東彼杵町の山の中腹を、しばらく車で走る。途中、車一台が通れる狭い道を 抜けると道が開け、一軒家と作業倉庫が並んで見えてくる。この場所に移住し、家の裏手に広がる段々畑で有機野菜を作っているのが野田晃一さん、ロ ー・イーチュエンさんご夫妻だ。「偶然なんですが、この地区は”野田組”って言うらしいんです。だから、私たちは”野田組の野田”ということになります(笑)」。

そんな、明るく笑いが絶えないご夫婦が作る、旨味も栄養もたっぷ りな安全安心の野菜を紹介したい。

空の青、大村湾の青が一望できる開けた土地。野田さんがこの地で畑を開墾して、もうすぐ 2 年が経つ。佐世保市にある『菌ちゃんふぁ~む』という農園で働いた経験を生かし、そこで得た有機栽培の知識と技術をベースにして農薬を使わない<菌ちゃん野菜>を一から育てている。

野田家の有機野菜を語るなら、知っておきたいのが”菌ちゃん”による有機農 法の菌ちゃん農法について。そもそも、有機(オーガニック)栽培とは、化学肥料や農薬、遺伝子組換え技術を使わない環境にやさしい栽培方法を指 す。「有機野菜は安全で栄養価が高く、美味しい」というをイメージがあると思うが、それだけでなく自然の力を発揮した環境にやさしい方法だということがわかる。

菌ちゃん農法での土作りは、菌ちゃんが食べるご飯となる、ミネラルが豊富な雑草などの有機物を畑に入れる事から始まる。菌ちゃん達がご飯を食べて 土の中でどんどん増えて、分解された有機物は菌ちゃんを通じて、お野菜の命へと繋がれていく。そして、菌ちゃんふぁ~むの園主である、”菌ちゃん先生”こと吉田俊道さんは、土の中で微生物と野菜がしっかりつながることで、 様々な栄養の他に、微生物の作り出す生理活性物質が野菜に伝わり、より生命力あふれる野菜が育つと考えた。この、生理活性物質というのが”菌ちゃん パワー”だと提唱している。

野田「 菌ちゃんとは微生物の事なんですが、僕たちは親しみを込めてそう呼んでいます。菌ちゃん農法とは文字通り、土の中に居る微生物が野菜を育ててくれます。僕たちの役割は、菌ちゃんが住みやすい環境やご飯を用意し、野菜を観察しながら必要な作業をする事です」

菌ちゃんふぁ~むでの教えを学んできた野田さんは、野菜を育ててくれる菌ちゃんのことを考え、自分の畑の土に空気や草木といった菌ちゃんに必要なものを与える事で、より沢山の菌ちゃん達が住んでくれるような土作りを目指している。

野田「現在、常時お世話している品種は10種類くらいです。これから一年ず つ、少しずつでも畑を広げていけたらと思っています」

こちらは、野田さん夫妻がお世話している”マイクロきゅうり”。初めて見る 野菜に圧倒される。食べてみると、ちゃんときゅうりの味が凝縮されてい る。ポリポリとした食感が楽しく、スナック感覚で味わえる。料理の彩りに 添えるのもお洒落だ。

野田「野菜の出荷先は、主に佐世保市が多いです。菌ちゃんふぁ~むの頃からの繋がりで、素材に拘ったバイキングレストランだったり、自然食品のお店、 有機野菜や無添加の給食を出している幼稚園で使ってもらっています。また、 町内の素敵なレストラン・道の駅・スーパーにも出させてもらい、色々な消費者の方に支えられています。菌ちゃん農法をやっていると、まさに自然は循環していて、その中心には菌ちゃん達の絶え間ない活動である事を肌で感じます。<菌>と聞くと、今のご時世ネガティブな印象を持つ人が多いのか もしれませんが、僕たち人間の身体は内側も外側も沢山の菌ちゃんに守られて生きています。菌ちゃんが作ってくれた野菜を食べて貰う事で、菌ちゃんの存在の大切さや素晴らしさがその人たちに伝わってくれたら嬉しいです」

菌ちゃん農法は、今や全国区で知られ始めている農法である。提唱者の菌ちゃん先生は、全国各地を飛び回り、伝播している。歌手・女優の柴咲コウさんや、俳優の山田孝之さんも、菌ちゃんの素晴らしさを知る一人だ。興味のある方は、ぜひ一度食べてみて欲しい。

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