修学旅行 東彼杵町視察レポート この町には「なにもない?」が、こころに灯る日。心を動かす日に。

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神奈川県 藤嶺学園藤沢・修学旅行 東彼杵視察レポート

神奈川県からやってきたのは、藤嶺学園藤沢の高校2年生のみなさん。この機会は「株式会社ミエタ」さんよりいただいたご縁です。今回の修学旅行は、いわゆる「観光」ではなく、“現地視察研修”。東彼杵町(ひがしそのぎちょう)は長崎と佐世保のちょうど真ん中あたり、穏やかな海と緑に囲まれた町・**東彼杵町(ひがしそのぎちょう)**で、70名の生徒が二つのエリアに分かれ、地域の人や場所にふれながら学びました。

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ふたつの舞台、「sorrisoエリア」と「uminoわエリア」今回の視察は、**Aグループ(sorriso周辺)Bグループ(uminoわ周辺)**に分かれて実施されました。

【 sorrisoエリア 】
立ち寄ったのは、
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OSOTOYA米饋室
Tsubamecoffee
gonuts antique & supply
カフェやショップが点在するこのエリアでは、「東彼杵の“いま”」を感じることができる場所ばかり。お店の人たちと直接話したり、なぜこの町でお店を続けているのかを聞いたりと、生徒たちは興味津々。最初はちょっと緊張した面持ちだったのが、時間が経つにつれ「え、このコーヒーめっちゃおいしい!」と笑顔が増えていくのが印象的でした。

Tsubamecoffee

【 uminoわエリア 】
一方のBグループが向かったのは、
きょうりゅうと宇宙
社食ごはんウラノ
ful TABLE & IDEA
「企業や仕事と暮らしがゆるやかにつながる場所」として、地域の人と関わる拠点が多いエリアです。
株式会社フルカワが“ful TABLE & IDEA” を 。株式会社ウラノが”社食ごはんウラノを。地域に企業が開く場として、生徒たちに東彼杵での活動や新しい働き方について話しました。「仕事って、好きなことを続けていくことでもあるんだな」そんな言葉がぽつりと生徒から出た瞬間、会場の空気がやわらかく変わったのが印象的でした。

uminoわ
「お腹いっぱいになってほしい」お弁当に込めた想い

ちょうどお昼時。この日のランチは、地元の人気店 OSOTOYA米饋室社食ごはんウラノの特製お弁当。それぞれ別の場所で生徒たちを迎えたものの、想いは同じ。「高校2年生の男子なら、食べ盛りだから。お腹いっぱい食べてほしいね」OSOTOYA米饋室では、なんとお弁当に入っていたナポリタンを「おかわりあるよ」と声をかけてくれたり。

OSOTOYA米饋室

ウラノでは「足りるかな?」と心配しながら、おにぎりを握り足してくれたり。どちらも、“満腹”以上に“満たされる”やさしさがありました。生徒たちはそのやさしさを、ちゃんと受け取っていたようです。

uminoわ
食後の自由時間。散策と“もう一度”の時間

食後の自由時間。散策と“もう一度”の時間。お弁当を食べ終えたあとは、思い思いの時間。海沿いを散策する子、もう一度気になるお店に話を聞きに行く子、カメラを構える子。ある生徒は森に質問をしていました。そのなかには野球部の子もいて、部活の話から地域の取り組みの話まで広がり、いつのまにか真剣な顔に。「地元でもこんな活動できるんですか?」と聞く声には、“学び”よりも“自分ごと”の芽生えを感じました。

sorrisoriso千綿第三瀬戸米饋室倉庫
ときめきを探すワークショップ

午後からは、AグループとBグループがエリアを入れ替え、最後に全員で総合会館に集合。そこで行われたのが「ときめきワーク」
テーマは、「ときめいた場所・こと・ひと・もの」。生徒たちはそれぞれの視点で、一日のなかで心が動いた瞬間を書き出していきました。多くの生徒が挙げたのは――


「静かな海があった」という反応。
大村湾は穏やかで凪いでいる状態が多く、町の人にとっては“当たり前”の景色。神奈川でも海に面している地域が多い中で、訪れた高校生にとっては、珍しかったようで「穏やかで、落ち着く」「なんか、心が静かになる」と、ときめきの対象になっていました。普段見ている風景が、誰かにとっての“特別”になる。そんな発見を、私たちもそして、東彼杵町の人たちも改めて感じた瞬間でした。

東彼杵町総合会館
「なにもない町」って、ほんとうに?

ワークの最後、生徒たちの言葉で印象的だったのがこちら。「おかわりをさせてくれたことがうれしかった」「人の温かみに触れた」「“なにもない町”って言われるけど、好きなことを仕事にしてる人が多くてすごいと思った」彼らが感じ取った“ときめき”は、観光名所や派手な施設ではなく、人や小さな営みのなかにありました。それは、まさに東彼杵が大切にしているものそのもの。

Gonuts
未来へつながる「視察」という体験

未来へつながる「視察」という体験修学旅行というと、「見る」「楽しむ」が中心になりがちですが、今回の視察は「感じる」「考える」旅。地域の人たちの想い、仕事、暮らし方を通じて、生徒たちは「自分のこれから」を少しだけ思い描く時間を持てたのかもしれません。

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そして受け入れた側にとっても、生徒たちのまっすぐな反応や質問が、新しい気づきをくれました。「なにもない町」と言われても、この町には“人と人をつなぐときめき”がちゃんとある。そのことを、改めて感じる一日となりました。

OSOTOYA米饋室
おわりに

藤嶺学園藤沢のみなさん、東彼杵町に来てくれてありがとうございました。静かな海、温かいごはん、そして出会った人たちの笑顔が、
少しでも心のどこかに残っていたらうれしいです。

またいつか、この町で会いましょう。

uminoわ
きょうりゅうと宇宙