「わたし」と「わたしたち」のことばART×旅するムサビプロジェクトにおいての、アルカス SASEBOを中心とする佐世保市内での展示が行われました!
この記事では、アートプロジェクトの一つである「ポスターアート」に焦点を当て、旅するムサビプロジェクトやこのポスタープロジェクトに込められた思い、そしてポスター制作の裏側までたっぷりお届けしていきます。
今回このアートプロジェクトに関する記事執筆担当は、武蔵野大学に所属する「ライター武蔵野」の大田寧音と中久木愛美です。多文化共生について日々学ぶ私達の視点からも、このプロジェクトの魅力について語っていきたいと思います。
「つながり」にふれるプロジェクト
本プロジェクトは、「多様性」「共生」「人と人のつながり」をテーマに、武蔵野美術大学の「旅するムサビプロジェクト」アーティストたちが佐世保で暮らす様々な人々にインタビューを行い、そのなかで感じた佐世保の文化や言葉、そして「つながり」をポスターアートという、目に見える形で表現するというものです。
佐世保は港町としての歴史に加え、アメリカ軍基地をはじめとした異文化の影響を受けながら、さまざまな文化背景や価値を持つ人々が暮らしています。そんな人々の間には、目に見えるつながりも、見えないつながりも存在しています。
佐世保に住む人々にインタビューを行うことで、そんな「つながり」や、文化・世代を超えて育まれている共生のかたちを掘り下げていき、学生たちが感じたその人らしい言葉とつながりの温度を伝えるアートとして、ポスターを作成しました。
ただの記録としてではなく、ポスターを見た皆さんに普段は可視化することのできない人と人とのつながりを伝えることを目指し、ポスターアートを制作しました。


佐世保を訪れた「旅するムサビプロジェクト」
「旅するムサビプロジェクト」、通称「旅ムサ」とは、地域に美術館のない中学美術教諭をされている武蔵野美術大学卒業生の「生徒に本物の美術作品を見せたい」という思いから2008年に発足したプロジェクトです。
現在は、武蔵野美術大学の学生たちが全国各地の依頼があった小中学校を訪問し、学生たちが持参した作品を一緒に鑑賞する「対話鑑賞」や、黒板に絵を描く「黒板ジャック」、創作活動を行う「ワークショップ」など、幅広いアートプロジェクトを手掛けています。
子どもたちに美術の楽しさや多様性を伝えるだけでなく、ムサビ学生や現場教師など関係者全員が学び合い、これからの可能性を提案する取り組みです。
▼「旅ムサ」の詳細は下記URLより
https://www.musabi.ac.jp/collaboration/consortium/school/tabimusa_project/


今回のアートプロジェクトは旅ムサの中でも長期のプロジェクトであり、1週間という長い期間佐世保に滞在し、佐世保という街を実際に歩いてみながら、街に触れ、人に触れ、アートを作成していきました。
インタビューの場では、予め決めていたインタビュー内容だけでなく、実際に佐世保のまちを歩いていたことから生まれた質問やトークテーマも多く飛び交っており、地元の人々から、さらに佐世保について教えていただける場面もありました。
また、本プロジェクトの魅力の一つは、国籍・年齢関係なく、老若男女様々な立場の方からお話を伺い、ポスターを作成したことです。
身近な人から、普段は関わりのないような人にまでインタビューを行いポスターを制作。その中には知っているようで知らなかった佐世保の一面を見ることができるかもしれません。
いつもと違った旅ムサ キーワードは「多様性」
我々は今回、武蔵野美術大学の学生さんたちが佐世保の方にインタビューする現場に同行させていただき、「インタビューするムサビ生」をインタビューする、というややこしい立場に立ちながら、ムサビ生たちと共に佐世保の様々な場所を巡り、そこに住む人達と交流しました。(印象に残ったインタビューなどはまた別記事にまとめてあるのでお楽しみに)
また、宿泊施設も同じだったこともあり、互いの学校の話や今回のプロジェクトについても詳しく訊くことができました。

中でも驚いたのは、旅ムサについて。前述した旅ムサですが、話を聴いていると、今回のプロジェクトは少しばかり毛色が違ったそうです。
「びっくりしたのが、メンバーに留学生がいたこと。普通だったら旅ムサは日本人学生しかいない」

旅ムサでは、各プロジェクトごとにメンバーを募集し、集まったメンバーでプロジェクトを計画・実行しています。普段の旅ムサメンバーは日本人学生ばかりであり、留学生コミュニティの間では旅ムサが話題に出ることはないどころか、その存在を知らない人も多々いるとか。
しかし、今回のプロジェクトではメンバーの半分近くが留学生で構成されていました。
一週間という長期の宿泊プロジェクトだったこともあり、互いの国の文化差について盛り上がったり、プチ言語講座をしたりと、異文化交流を楽しむ場面も多々ありました。
個人的には、留学生が作ってくれた韓国料理が特に印象に残っています。自分が所属する学科では、留学生が多く所属しているため、異文化交流というのは日常の一つだったのですが、母国の料理を振る舞ってもらうという、宿泊プロジェクトという要素がなければできなかった異文化交流に、感動を覚えました。

また、驚いたのが参加したムサビ生全員が別の学科所属であり、加えて学年もバラバラだったことです。長崎へと旅立つ空港で、初めて言葉を交わした生徒がいるほどだったとか。
しかし、そんなことを思わせないほど和気あいあいと、時には自分たちの意見を交わし合いながら作品づくりに取り組んでいました。
彼女たちの芸術に対する思い、そして芸術が持つあらゆる壁を超える力というものを、改めて感じることができた体験でした。
▼展示作品とアーティスト紹介についてはこちらの記事から
※四ヶ町商店街アーケードくっけん広場でのポスターアート展示、アート作品展示は終了しています。
アルカスSASEBO, 佐世保市役所高砂駐車場連絡通路においてポスターアート展示をしています。
「わたし」と「わたしたち」のことばART×旅するムサビプロジェクト in 佐世保
本企画は、「第40回国民文化祭、第25回全国障害者芸術・文化祭 ながさきピース文化祭2025 みんなのさせぼフェス」において、ながさきWell-beingミライ研究所が企画・運営するプロジェクト〈「わたし」と「わたしたち」のことばART×旅するムサビプロジェクト in 佐世保〉として、ポスターアートと参加型ワークショップを行いました。
主催:文化庁 / 厚生労働省 / 長崎県 / 第40回国民文化祭 / 第25回全国障害者芸術・文化祭長崎県実行委員会 / 佐世保市 / 第40回国民文化祭 / 第25回全国障害者芸術・文化祭佐世保市実行委員会
企画・運営:ながさきWell-being ミライ研究所
協力:武蔵野美術大学 / 西海みずき信用組合 / させぼ四ヶ町商店街協同組合 / させぼ四ヶ町商店街 / くっけん広場