どこにもない世界を作り続ける『Gonuts』沖永雅功さん【長崎国際大学 佐野ゼミ共著記事】

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  • 赤瀬新菜(長崎国際大学学生)

    赤瀬新菜(長崎国際大学学生)

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長崎県東彼杵町瀬戸郷にある『Gonuts』は、古着とアンティークを販売しているお店です。お店の中は店主である沖永雅功さんの好きが詰まった、異世界のような不思議な空間が広がっています。

Gonutsがオープンしたのは2年半前。どうして東彼杵の地に古着とアンティークのお店を開くことに至ったのでしょうか。

開業に至るまでの道のり

沖永さんは、佐世保市崎岡町出身。小中学校の頃から徐々に服に興味を持ち始めました。そして、当時は古着ブーム。それに合わせて、沖永さん自身も自然と古いものにも目が行くようになったそうです。高校を卒業してからは、好きが高じてアパレル関係で働こうと思い至りましたが、当時は高卒対象の採用が多くありませんでした。そこで、まずは社員募集をしていた材料屋に就職することに。

沖永「そこでの仕事が色々きつくて、その時に丁度実家が川棚町に引っ越したのでそのタイミングで辞めました。佐世保の古着屋さんに面接に行ったら時給が605円くらいで、川棚から通わなくてはいけないしそんな生活出来んわと思って自分でしようと思いました。で、とりあえず川棚の工場で勤めて200万貯めたら辞めようと思っていて、2年くらいで貯めて店をしたっていう感じです」

自分で始めた最初のお店。
21歳で堂々オープン

沖永さんは21才の時、川棚町で最初のお店である古着屋を開業しました。

「この時、同じ建物でデザイン事務所を開業している方と一緒に仕事をしていました。その方の手伝いをしながら、イラストレーターを使って看板を作ったり」

古着屋を経営した8年間は、いろんなものを作ったりして、便利屋としての手伝いをしているうちに何でもできるようになりました。そんな沖永さんのもとに地元の同級生である※『Sorrisoriso』代表の森一峻さんから声がかかりました。

「きっかけはSorrisorisoの立ち上げですね。代表の森が不動産すらないような何もない町で、そこを使ってカフェとかお店が集まったようなことをしたいと言って。それまで自分は川棚という隣町で店をずっとしていたのですが、その話が来てSorrisoを立ち上げて4,5年してこの店に移ってきた感じです」

※東彼杵町瀬戸郷にある交流スペース。

これからも、進化は止まらない。
独自の感性で走り続けるGonuts

半年の準備期間を経て開業したGonutsは、2年半経った今も進化が止まりません。沖永さんの頭の中には、数えきれないほどのイメージが膨らみ続けていると言います。考えずとも浮かんできていて作業が追い付かないそうです。イメージを忘れてしまうことはないのでしょうか。

「いや、忘れないですね。1個思いついたことは忘れないです。メモとかしなくても」

沖永さんの頭の中は、常にイメージが蓄積されています。そんな沖永さんにとって芸術とは何なのでしょうか。

「芸術?なんですかねー。それを表現できるような語彙力はあまりないので……。でも、“芸術は何でも芸術になる”と思います。見えているものすべてが芸術。それを自分の目線でどう見せるかなので。例えば、ここに携帯があるだけでも芸術なんです。自分自身で表現しているものすべてがそうなっているというか……ごめんなさい、ちょっとわかりづらいですよね。ただ、そんな芸術などという大そうな考えを持って表現しているわけではなく、僕が作りたいものを作っているだけなんです」

沖永さんの取材を通して感じたのは、感受性豊かに物を見つめる力でした。好奇心旺盛な子供心を忘れない沖永さんだからこそ、今のGonutsが展開されているのだと感じました。これから新たにどんな進化を遂げていくのか、ますます楽しみです。

みせに関しましては、こちらの記事をご覧ください。