ここが日本だと忘れてしまう。東彼杵の異世界古着・アンティークショップ『Gonuts』【長崎国際大学 佐野ゼミ共著記事】

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  • 町田理奈(長崎国際大学)

    町田理奈(長崎国際大学)

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2019年。東彼杵に店を構える『Sorrisoriso』というカフェの裏に「Gonuts」という古着屋がオープンした。古着屋と言っているが、古着だけでなく、アンティークや古材を使った作品や家具などの商品の商品が売られており、目を引くアイテムが目白押し。また、商品だけにとどまらず、お店の内装、空間にまでがこだわり抜かれている。これらはすべて、店主の沖永雅功さんの手作りだということから驚きだ。

お店のコンセプトは、
「どこにもない、自分だけの世界」。

お店の扉を開けると異世界に迷い込んだような世界観、次々にたくさんの物に目を引かれる。きっと世界に一つだけであろうこのお店のコンセプトは何なのか。また、どのようにしてこのようなイメージが湧いてくるのだろうか。

沖永「コンセプトはどこにもない世界、自分の世界。だから、物を売っているだけでなく、古い材料で商品を作る、見たことのない物を作る、これが自分の世界観になると思います。だから、コンセプトはこれですというのはないですね。イメージは常にどこにでも浮かんでくるので、考える必要がない」

到底、普通の人なら思いつかないような発想から作りあげた。だが、もっと多くの人の目に留まるような場所で始めることは考えなかったのか。東彼杵の町にお店を出したきっかけとは。

「きっかけはSorrisorisoの立ち上げです。代表の森(一峻)とは同級生なんですが、彼と話をしていて不動産さえない東彼杵の地にカフェとかお店を出そうとなったこと。自分は元々、隣町の川棚町で店をしていたので、この話が来て4,5年してから東彼杵町へと移りました

作ることが好きだった。
もっと大きなモノづくりへの挑戦

出身を聞くと偶然にも私が通っている長崎国際大学の近くであることが分かった。佐世保で生まれ育ち、高校卒業後、21歳の時に自身で経営する古着屋を始めたという。今の店と同様、一から自分で作っていたという。Gonutsには、鏡の向こう側が開く仕組みの隠し扉がある。この店の大きな特徴のひとつだ。このように来た人をワクワクさせるような仕組みがたくさんあるが、元々ものづくりやワクワクすることが好きだったのだろうか。

「インテリアが好きだったので、毎週部屋の模様替えしていました。学校を熱で早退した時でさえも。それで、親に怒られるみたいな(笑)。元々、小さい頃から何か作ったりするのは好きでしたね」

ユーモアたっぷりに話してくれた沖永さん。Gonutsのお店のほかに、結婚式の空間を作る仕事も行っている。空間やものを作るときには何を考え作っているのか、また、これから挑戦したいことはあるのだろうか。

「自分が好きなものを作ることもあるが、もちろん頼まれた時は、その人が何を求めているのか、例えば、ここで何をするから机を作るのか、そういったことを考えて、尚且つ、自分がいいと思ったものを作っています。これから挑戦したいことは、まだこれといった大きな仕事をしたことがないので、商店街を全く違う世界にしてみるといったようなそのくらい大きな規模でものを作れたらいいなと思います」

進化を目指して
常に変わり続ける。

お店の空間や商品作りは、材料集めから自身で行っているという。主にヨーロッパやアメリカのもので、自ら現地に足を運び、色々な国の材料でこの世界観を表現しているそう。外国で店をやろうとはならないのか?それでも外国ではなく、日本にいる理由を伺った。

「日本食しか好きじゃないから。まず、チーズが嫌いだから、フランス料理なんかは苦手ですね。その世界観はすごく好き、素晴らしいけど。日本食で住めるなら、住み続けたいかな。まだ知らない場所の方が多いから、この国が一番いい、自分に合っているというのはないけど」

話を伺うことでGonutsも沖永さん自身も、常に変わり続けて、進化を目指していることが分かった。最後に、沖永さんにとって芸術とは何か尋ねてみた。

「芸術……何ですかね。見えているものすべてが芸術で、それを自分の目線でどう見せるか。自分自身ですかね。考えてしているわけではないので、表現しているものすべてがそうなっている。作りたいものを作っている。それだけです」

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