山下晋弘さんの東彼杵「愛」『東彼杵町役場 総務課 係長 山下晋弘さん』【長崎国際大学 佐野ゼミ生共著記事】

  • 濱田 悠斗(長崎国際大学佐野ゼミ生)

    濱田 悠斗(長崎国際大学佐野ゼミ生)

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佐賀県生まれの山下さん。小学校入学時に父親の実家である東彼杵町の大楠地区へ。そこから川棚高校、山口大学と進学し、公務員専門学校を経て、平成16年に東彼杵町の役場へ就職。今は東彼杵町役場の総務課係長を務めている。

そんな山下さんの東彼杵「愛」について紹介したい。

まちの人の温かさ

山下さんは東彼杵町の良い点として、人の良さを挙げる。

山下「東彼杵町は住民がみんな協力的で、横の連携が取りやすいんです。歳が離れていようが、仲良くみんなでやっていこうよという雰囲気ができていることが魅力的です」

では、課題に感じている点は?

山下「一方で、色んな活動に対して引っ込み思案なとこもあり、新しいことをするのに抵抗がある。そのため全てを受け入れきれないところもあったりする風潮がある。自然豊かでのんびりしている町であるため、良い意味でも悪い意味でものんびりしているところがあるのかもしれません」

スポーツを活用した街づくり

そんな東彼杵町ではスポーツを活用したまちづくりをやっていこうという案がある。

現在、東彼杵町の人口は約7,500人。1年間で生まれる子どもの数は20人から30人ほどで、少子高齢化が進む中、子どもたちは自分たちのやりたいスポーツが出来ないという問題を抱えている。

山下「例えば、野球部は人数がいないため休部。サッカー部は何年か前に廃部になりました。そもそもスポーツに関心がないという子どもも多数いるというのが現状です。加えて、指導者もいない。スポーツに関する環境が良くない方向に進んでいる。そうした状況を変えるために、スポーツを活用した街づくりをしようと考えました」

どのような?

山下「野球、サッカー、バスケという種目別に中学から高校、大学生、社会人と縦でつながるのではなく、種目の垣根を超えて、横になってみんなで協力することができれば、各競技の指導者や大人たちの間で、子どもたちの取り合いにもならず良いのではないでしょうか。そういった、横の連携をとるような組織作りを目指していきたいです」

それは新しい競技やどれか1つの競技に力を入れるというわけではないという。どの競技にも通じるような基礎体力をつけさせる種目や、メンタル的なもの。各競技が共通して使えるようなものを輪になって競技に送り出すこと。

保護者でやってくれている指導者の人たちを集めて、危機管理や知識を意見交換できる場所を作っていければいいと山下さんは語る。山下さんが活動を続けている限り、東彼杵町という地域はスポーツを通したまちづくりの発展が続くのではないかという希望が見える。

長崎県下は1つのチーム

長崎市に建設中のVファーレン長崎の新スタジアムが2024年の10月に開業予定である。これこそまさにスポーツを活用したまちづくりである。山下さんはこのことについて長崎市をライバル視しているわけではないという。

山下「どちらかというとそこからの波及効果を狙っており、そこに関連したことをやっていきたいですね。具体的には、佐賀県嬉野市にある、みゆきドームのような屋根付きの人工芝が敷いてある広い場所の設置を望んでいます。ここは全天候型で、雨の日でもスポーツができるため、いろんな競技の人たちが訪れます。せっかく長崎県下の1つのチームなのだからVファーレンとも一緒になにかできれば面白そうですよね」

人とのつながりを大切に

山下さんは何事に対しても交友関係を広く持つのが大切だと語る。

山下「私自身、大学生まではそれほど交友関係が広くなかったんですが、東彼杵町役場に来て、色んな人を知り、好き嫌いはあるもののつながりを持つことが楽しいと思えるようになりました。垣根を越えていろんな人とつながりをもっておくことが将来的にも大事です。あとは、、、やっぱり地元に帰ってきて欲しいですね(笑)」

取材中、終始穏やかにお話しして下さった山下さんが今後東彼杵町でどんな活動をされるのか、とても楽しみです。

山下さんについて、こちらの記事も是非ご覧下さい。