東彼杵郡波佐見町に根を張りリフォーム、リノベーションを専門として創業して45年。
創業して45年。波佐見町の地に根を張り、「お客さま第一の心」という理念のもと変わらないスタイルで経営を続ける「あるある館・有限会社アサダ建設」。隅々まで行き届いた高品質なサービスを行うため、あえて範囲を絞る徹底ぶりは地域住民からの信頼が絶大だ。
浅田「母体はアサダ建設なので建設、建築業をメインに運営しています。その中で、建築部は工務店『リフォームショップあるある館』として創業からリフォーム、リノベーションを専門に行ってきました。そして、10年くらい前に不動産部の『あるある不動産』を立ち上げました。新築も創業時からしていたんですが、20年くらい前からリフォーム、リノベーションを専門にやっていこうと社長が決めて」
そうして、「住まいの相談に関しては、あるある館」と、現在の波佐見町のひとつの顔となっている会社について、社員の浅田勝也さん、ナルミさん夫妻が語ってくれた。写真は、アサダ建設のリフォームアドバイザー、鈴田幸孝さん(左)と白井達也さん(中央左)も加わっての一枚。店内にはモデルルームが備わっており、実際にどんなリフォームができるのか目で見て、触って、体験できる。
時代の流れに伴った住宅業界の変遷。
先を見据えたアサダ建設の歩み
築年数の長いマンションや一戸建ての改装を考えるとき、「リフォーム」「リノベーション」という言葉を聞いたり見たりする機会は多いかと思う。日本では原状回復のための部分的な改修を「リフォーム」と言い、機能・価値の再生のための包括的な改修を「リノベーション」と定義している。ちなみに、前者の「リフォーム」という言葉は実は和製英語だったりする。
さて、日本におけるリフォーム・リノベーションの歴史は非常に浅い。1975年のオイルショックを期に住宅リフォーム専門会社が各地に誕生し、1980代にリフォーム業が浸透していく。そして、1990年代後期ごろから住宅は現状回復するリフォームが主流だったのに対して、付加価値が付くように作り変えるリノベーションが注目されていくようになる。1994年に「有限会社アサダ建設」へと法人化し、その6年後の2000年にリフォームを専門で事業を展開していくと決めた、アサダ建設社長の浅田久太さんの先見の明が光った。
浅田「元々、45年前となる創業時は個人大工として工事を請け負っていたそうです。最初は知り合いや親戚から仕事をいただいては家を造っていったのですが、ほとんどが完成してしまって。ちょうどその頃に、当時まだ浸透していなかったリフォームに力を入れようと、周りの反対を押し切ってリフォーム事業を始めました。今からリフォームが来ると先を見据えていたんですね。また、波佐見町は当時から建設会社が多く、同じことをしていても生き残れないということもあって」
従業員が一人、二人と増えていく中で、目先の安定した事業を続けるのではなく、今後の先細る展開を見据えてあえて新しいことへと舵を切った社長。その挑戦は偉大なことであっても、周囲に理解されるのはいつの時代だって難しく、軌道に乗るまで忍耐を要する。
浅田「10年20年前って、新築を建てるのが建築だという風潮がありました。特に、リフォームなんかは新築専門業者に比べて下に見られるところがあるというか。でも、社長は『網戸一枚から張り替えます』というポスティングを始めました。草の根の、地道な活動ですが、続けていると少しずつ一般のお客さんから電話がかかってくるようになっていって。今の会社があるのは、その活動のおかげだと思います。そして、リフォーム専門になったのが20年前くらいです。LIXILリフォームショップの前身であるホームウェル東彼に加盟しまして。その時に、社長が『地域密着で行くぞ』と。そうしてコツコツ仕事を続けていったのが、今に生きています」
最初から、最後まで関わり続ける。「ワンストップ」だからできる強み
モデルルームでは、キッチンや居間、キッズルーム、バス・トイレなど各部屋が存在しており、それぞれにリフォームのポイントなどを丁寧に紹介している。モデルルームを見て回るだけで、自分がどんな家に造り直していきたいのかイメージが湧いてくる。
日本では、はじめに中古住宅を購入してからリフォームを行うのが主流だ。そのため、昨今では不動産の購入からリフォームまでをひとつの業者で行う「ワンストップ型」サービスが注目を集めている。すべてが一貫しているため、社内間での連携がスムーズで、時間ロス・連携ミスが起こりにくく、品質も安定かつコスト面においても抑えられる場合が多かったりと、依頼者にとってメリットは大きい。
浅田「私たちの会社も、基本的にはワンストップで行っています。不動産の紹介から契約書の作成、リフォーム、引き渡した後のトラブルがある場合のアフターサポートまでやります。不動産から建築まで、最初から最後まで全て統括して見られるというのが弊社の強みだと思います。都会だったら近くにお店も多くあるのでしょうが、田舎になるとポツンポツンとしかないので、こういうところって意外と大事なのかなと」
家は、生涯のパートナーになり得るものだ。人口が減っている田舎だからこそ、住んでいる人たちに寄り添い、新しい暮らしを決めた人たちを暖かく迎え入れたい。波佐見町の地で末長く幸せな暮らしを送ってもらうために、アサダ建設のサポートは建築・リフォーム完成後も徹底している。
浅田「そういう意味で、OBさんに対するアフターケアには重きを置いています。OBとは、私たちがリフォームさせてもらった方たちのこと。弊社独自のサービスで住宅アフターサポートを提供しています。例えば、トイレが詰まったとか、水漏れがしたとか。そんな時は、すぐに駆けつけるようにしています。一般的な建設会社は、家を建ててしまったら、その後のフォローに関してはやらないところが多いと思うんです。建築の方に重きを置いているので、あまり利益にならないサポートまではしません。その点、私たちは地域密着で活動させてもらっているので、そこを疎かにしてしまうと評判が悪くなってしまいます。なので、今までお世話になった、リフォームをしていただいたお客さまには、極力引き渡し後もサポートを続けています」
「やれることについて、どこまで範囲を広げるか」というのは、会社にとって時に命題になる。利益は上げたいが、手を広げ過ぎると足元がぐらついてしまう。バランスを見誤らないような舵取りが必要だ。
浅田「評判というところで商売している部分がどうしてもあるので。田舎は、特にそういうことを考えていかないと生き残っていけないと考えています。会社の所在地から20分圏内をサポート範囲とさせていただき、すぐに駆けつけるようにしています。狭い範囲かもしれませんが、それを超えるように範囲を拡大してしまうと物理的に時間がかかってしまい、結果的にお客さまにご迷惑をかけてしまうことになるので。広く営業をしたい気持ちはあるんですが、両手で抱え込められる範囲で営業して、そこに住む方達をしっかりサポートし続けたいです」
来客があれば、応接間にてじっくり相談を受け、丁寧なアドバイスを心がける。ふたりが手に持っているのは、リノベーション事例Book“imagine(イマジン) ”。あるある館がどんな会社なのかが全てわかる、リフォーム・リノベーション専門店ならではの事例がたっぷり詰まっている。HPで資料請求ができるので、興味がある方はぜひお取り寄せを。
欧米や欧州では、古い建物を大切に使用するという考えがある。築年数が100年を超えるような古い住宅でも、積極的にリフォームする。レトロな建物を、趣のある住宅に変化させることで、快適な住居を実現させている。一方で、これまでの日本では、ライフスタイルの変化や住宅購入のタイミングに際し、多くの人が新築住宅を建てる、もしくは新築住宅に引っ越すという選択をしてきた。住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家問題などが生じてきている社会背景の中、今の住まいをリノベーションする、リノベーション済みの住宅を購入する、中古住宅を買ってリノベーションする、といった考え方へ変わりつつある。
これからは、もっと変わらなければならない。人口減少や少子化による郊外の過疎化は、着実に進行している。空き家はもちろん、後継者不足による空き店舗や空き作業場なども増え続けており、これらの問題にどう取り組んでいくかが大きな課題となっている。
「夢のマイホームは、戸建てもマンションも、もちろん新築」。そんな考えは、今となっては古いのかもしれない。住まいについて考えている方は、リフォーム・リノベーションという選択肢も取り入れてみてはどうだろうか。
あるある不動産
「Ohesojournal(オヘソジャーナル)」や「ホリダシモノ」を運営する、長崎県波佐見町にある空き家専門の不動産会社。
あるある館
長崎県波佐見町にあるリフォーム・リノベーション専門の工務店。
ひと・ことについての詳細は以下の記事をご覧ください。