山桜の茶畑を持つ、中里茶農園

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中里茶農園のシンボル「山桜咲く茶畑」

風光明媚な大村湾を望む茶畑は東彼杵町ならでは。西九州一の面積を誇る赤木集団茶園では、写真のような茶畑のある海景色にあちらこちらで出会えるが、少し入り込むと立派な山桜も咲いている。西九州一の面積を誇る赤木集団茶園。

写真家が気づかせてくれた東彼杵町の価値

今年も運よく中里さんの茶畑には山桜が自生していた。桜と茶畑。お茶の町といえどもこの素敵な組み合わせはそうそうない。「おいどんにはただの仕事場やけん。前は何とも思わんかった」と中里茶農園の中里孝幸さん。その価値に気づかされたのは2015年、東彼杵町が実施した写真によるまちづくりプロジェクトで、写真家のテラウチマサト氏らと交流をしてから。町の観光マップに掲載されると口コミで広がり、開花を楽しみに待つカメラマンが増えたそうだ。

中里「町の宣伝になればどうぞどうぞ」と孝幸さんはうれしそうに話す。自分の茶畑をきっかけとして、お茶に興味を持つ人が少しでも増えれば本望だ。ペットボトルなどの緑茶飲料に押されてリーフ茶の国内消費は低迷している。小さな農家には死活問題だが、だからこそ裾野を広げようと孝幸さんは努める。もっとカジュアルにお茶を飲んで欲しいというのが中里茶農園からの提案である。

50年ほど前に県のパイロット事業で整備された赤木集団茶園。無数の圃場は農家に割り当てられ、中里茶農園には運よく山桜が咲いていた。それまで特別に意識はしていなかったが、今ではこの茶園が中里茶農園のシンボルとなった。「もともと良質な茶葉が育つ土地やったけん。桜と茶畑の景色を見て、ここの美味しかお茶を飲んで欲しい」と孝幸さんは話した。

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「あんがくら」で採れる中里茶農園の特別なお茶

中里茶農園らしいお茶がもうひとつ。孝幸さんが暮らしている中尾郷には、1994年の「美しい日本のむら景観コンテスト」で農林水産大臣賞を受賞した赤坊という地区がある。森林に囲まれたこの地の、字名「あんがくら」に中里茶農園は茶畑を持っている。山奥のため現在の茶摘みでは当たり前となった乗用摘採機は入らず、なかなか手のかかる茶畑だ。「もう止めようと思った年によか芽を出して。寒冷紗(被覆材)もかぶせてなかったけん」と孝幸さん。

そのぎ茶(玉緑茶)の特徴はまろやかな甘みと旨み、鮮やかな濃緑色にある。摘採前の数日間、茶畑を覆う黒い被覆材はそのためで、この〝かぶせ〟という工程はそのぎ茶を作り上げるのには不可欠だ。その中で、「あんがくら」でできたお茶はというと、渋みもしっかりと主張する。「おいどんが昔飲んでいたのはこがんお茶。飯ば食う時にもよく合うお茶よね」と懐かしく、そして新鮮だったと孝幸さん。露地ものとして商品にして販売すると、見込みどおりに好評を得た。毎年、一番茶の摘採は「あんがくら」が最後を飾る。中里茶農園で特別なお茶となった。

中里「日本一になるようなよかお茶は若かもんが頑張って作っとるけん。おいたちは自分らが飲みたいお茶にこだわろう。遊び心も取り入れて(笑)」。

孝幸さんは、奥さんの真貴子さんと中里茶農園らしいお茶を提供していくことに決めた。とはいえ、孝幸さんは全国茶品評会で入賞したことがある実力の持ち主。〝よかお茶〟ももちろんあるので、中里茶農園の個性豊かなラインアップから自分好みを見つけて欲しい。

2人のつくりだす、そのぎ茶はふるさと納税サイトでも、購入できます。

中里茶農園のひとについての詳細は以下のそれぞれの記事をご覧ください。

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