東彼杵町小音琴郷にある『Cafe&Restaurant DOGHILL(ドッグヒル)』は、長年にわたりコーギーのブリーダーを務める岩崎秀則さんと由子さんご夫婦が営むドッグカフェ。たくさんのコーギーとふれあい、癒しを感じられるスポットとして日本各地のみならず海外からのお客さんもわざわざ訪れるほど大評判のお店です。
ドッグヒルではペット(犬のみ)の連れ込みができ、一緒に食事を取ったり敷地内のドッグランで遊ぶことも可能。またペットホテルも併設しており、ワンちゃんが自由に過ごせるゲージレス環境が用意されています。
預かりは1時間から、ワンちゃんの性格やアレルギーなどお話をしっかりと伺ったうえで様々な要望に対応しているそうです。
コーギー好きが集まる場所を作ろう
『ウェルシュ・コーギー専門犬舎NAVY SAILORMAN(ネイビーセーラーマン)』のブリーダーとして、1996年から数多くのコーギーを飼育し続けている岩崎さんご夫婦。飼育を始めたのはコーギーの未来が大変なことになると危機感を抱いたのが理由でした。
由子「90年代、紅茶のCMにコーギーが登場してから大ブームが起こって。当時のペットショップでは無理やり頭数を増やすためにめちゃくちゃな交配をさせたりなどひどい扱いが横行するようになったんです。このままではコーギー本来の姿が崩れてしまうって危険を感じて、ブリーダーの道へ飛び込みました」
コーギーのあるべき姿を取り戻すため健康なコーギーを繁殖させ、数々のドッグショーにも積極的に挑戦。しかしそれだけでは足りないと感じ、コーギー好きが集まる場所を作ろう!と一念発起しました。コーギーと直接ふれあうお店を作ることで、より多くの人に本当の魅力が伝わるはずだと感じたのです。
秀則「当時は佐世保の住宅街に暮らしていたのですが、ワンちゃんもたくさんいるのでここではちょっと難しいよねという話になって。それで長崎県内の土地をあちこち探し始めたんです」
いろんな町を訪れてはみるものの、ここだという良い場所がなかなか見つかりません。しかし土地を探していると聞きつけた知り合いの方から、自分が持っている土地を見てみないかという話が持ちかけられました。
由子「目の前に広がる大村湾が美しくて、一目見てすぐに気に入りました。お店を始めて11年、現在の建物になってからは3年経ちます」
お店からは運が良ければくじらが泳いでいる姿やヨットのレースが眺められます。季節によっては白鳥や鴨など渡り鳥が飛来する様子も見られるとか。そして特に見物なのが時間によって移り変わる大村湾の表情。海が赤く染まっていくサンセットはあまりの美しさに思わず写真を撮りたくなる風景です。
愛らしいコーギーの魅力
ドッグヒルの主役ともいえるウェルシュ・コーギーはイギリス西部ウェールズ原産の犬で、もともと牧羊犬として開発されたため頭の良い犬種だそう。お店の犬舎では子犬も含め40頭以上のコーギーたちが暮らしています。
由子「うちの子たちは『いらっしゃいませ』のお出迎えと『ありがとうございました』のお見送りをちゃんと玄関まで出てやるんですよ。私たち人間のそぶりをよく見て真似しているんでしょうね。そして他のお家からやってくる人やワンちゃんが沢山いるので慣れているのか、基本的にみんなフレンドリーに対応するんです。自分たちも何かしないとって思ってくれているみたい」
ドッグヒルにいるコーギーの中でカフェに出勤するのは6頭か7頭ほど。朝5時に起床して自由時間を過ごし、食事やトイレを済ませたあと「今日はお店にいたい」と意思表示をした子がカフェのフロアに残り、1日中お客さんとふれあいます。
由子「コーギーは本当に心を癒してくれますよ。とても素直で甘え上手だし。実は常連さんによってはお気に入りの子がいて、『〇〇ちゃんをお願いします』って指名を受けることもあります(笑)」
岩崎さんご夫婦がコーギーに携わるようになって感じるのは、コーギー好きな人の愛情深さです。ドッグヒルのお客さんは長崎県外の人や外国の人も多く、手間や時間を惜しまずに訪れる人がほとんどだそう。
秀則「一時期オーストラリアからのお客さんが多くて。というのもコーギーが大人気で、『日本にドッグヒルっていう店があるよ』って話が向こうで広まってるみたい。あとはフィジーやウクライナとか…中国、韓国、カナダからはしょっちゅうでした。日本のお客さんではうちの店が目的で長崎まで来たという人も多いんです。本当に犬好きの人が犬に会いに来るためにいらっしゃいますよ」
由子「コーギー好きの人って、本当に犬を思う気持ちが熱いんです。ワンちゃんとどこでも旅ができるようにって家を売ってキャンピングカーを購入する人もいますし、コーギーグッズを収集するのが趣味だという人もいて。いくら犬好きでもそこまでできる人っていないですよね」
SNSで大反響が起こった
2020年9月、ドッグヒルを訪れたお客さんがSNSにお店の写真を載せたところ「12万いいね!」を獲得する大反響。あまりの反応のすごさにテレビ番組でも特集されるほど大きな話題を呼びました。
秀則「あるお客さんが『コーギーが落ちてる!最高!』ってコメントを載せて投稿してくれて、12万人の人から反応があったそうで。それでうちが一体どんな店なのかってテレビが取材しに来たんですよ」
由子「当時はいろんな人から『おめでとうございます』って言われて『なんで?』って(笑)。少ししてからお客さんがどっと増えて本当にびっくりしました」
コロナ禍という未曽有の事態でストレスフルの中、フワフワでいとおしいコーギーの魅力が大勢の人の心を癒したまさかの出来事でした。
料理やワンちゃんグッズも人気
ドッグヒルは可愛らしいコーギーたちもさることながら、美味しい料理も大きな魅力の一つ。ご夫婦で様々なお店を食べ歩き研究を重ねて作り上げた料理には独自のエッセンスが加えられており、ドッグヒルでしか食べられない格別なものとなっています。
特に根強い人気を博しているのが『そのぎ茶バーガー』。特製のバンズにはそのぎ茶がたっぷりと練り込まれ、頬張るたびにふわっとお茶の風味が香ります。そしてパティは肉厚でジューシー。みずみずしい野菜とのバランスが絶妙で、次々と口に運びたくなる大満足の逸品です。
由子「この料理を考えたのは東彼杵町にハンバーガー屋がないから。ハンバーガー食べたいってお客さんがふと思い立った時、車で30分ぐらいかけて大村市か佐世保市に行かないとお店がないんですよね。そこで『いっそのことうちで作っちゃおう!』って話になって。それでせっかく作るなら東彼杵らしくそのぎ茶を入れようってアイデアが出たんです」
そしてドッグヒルではワンちゃんのおもちゃやおやつ、ハンドメイド作家さんが手がけた雑貨も取り揃えられています。中でもオススメはドッグヒルオリジナルのマグカップと缶バッチ。可愛いコーギーのイラストがあしらわれており販売するとすぐに売り切れてしまうほど大人気の商品だそうです。欲しい方は店頭でチェックしてみてくださいね。
最後にドッグヒルからお知らせ
ドッグヒルでは2021年8月現在、経理スタッフを募集しています。業務内容は細かな数字の打ち込みがメインとなるので、パソコン操作が得意な方が望ましいとのこと。勤務は週2回~となります。気になる方はぜひお店までお問い合わせを。
ひとについての詳細は以下の記事をご覧ください。