「CHANOKO(東彼杵)と肴や(大村)」 肴や大将プロデュースの限定くじら焼き! 『 大渡味噌とウエノ豚のキーマカレー』 LONGTABLE

掛け合わせることでさらなる豊かな味を知っていく

クレープ、パンケーキ、ワッフル。「お菓子」と言うと、甘味のイメージが強い。だが、近年では惣菜とのコラボなど、”サレ系”と呼ばれる甘くないスイーツの人気が目覚ましい。例えば、ワッフルの上に大きなフライドチキンが乗り、そこにメープルシロップをたっぷりとかけて食べるNYスタイルの”ワッフルチキン”。例えば、ドライフルーツのイチジクの甘みと生ハムの塩味が調和した”フィナンシェ・サレ”。フランス語で「わずかな塩」という意味の「プティ・サレ」と呼ばれる塩味の効いたサクサクの焼き菓子は、お酒との相性も抜群に良く、甘味が苦手な方に好まれることも多い。和菓子の世界においても、浸透しつつある。明治時代に生まれ、愛らしい姿形で餡をんだ焼き菓子の”たい焼き”も、昨今は肉や野菜がサンドされた”おかずたい焼き”としても供されるようになってきた。酢いも、甘いも、塩辛いも、苦いも。私たちは、掛け合わせることでさらなる豊かな味を知っていく。それは、この世で生きていくことと一緒かもしれない。

さて、この度東彼杵町の新名物となった『くじら焼き』にも、限定で”キーマカレー味”が新たに登場することとなった。手がけたのは、大村駅前に居を構える『駅前酒場 肴や』の大将・前田匠さんだ。

東彼杵と大村を掛け合わせた
“おかずな、おやつ”

2021年3月。社団法人東彼杵ひとこともの公社と九州電力株式会社との協業により、『CHANOKO』ブランドが立ち上がり、新名物『くじら焼き』が誕生した。

スタート早々からくじら登りの勢いで人気を博しているお菓子なのだが、今回、大村市のLONG TABLEに出張するにあたって、限定商品”大渡味噌とウエノ豚のキーマカレー”が売り出された。

この”おかずなおやつ”をプロデュースしたのは、大村駅前にある『駅前酒場 肴や』大将の前田匠さん。くじらの髭とのコラボという打診に二つ返事で了承し、すぐに具材を考えることに。大村市で人気の高い上野養豚の「山のウエノ豚」と”東彼杵町の味噌”の代名詞である大渡商店の「大渡味噌」という、互いの町の名産品を掛け合わせた”新しいキーマカレー”へと見事に昇華させた。

前田「料理を作るのを仕事だとは思っていません。接客の方が仕事だと思っていて、料理はただ好きで作っています。なので、今回のコラボについてのお話も、聞いた瞬間に作りたくなったんですよね(笑)。イメージだけでだいたい形になるので、施策の段階から早い。あとは微調整するだけというか。よく言われますね」

その場でポンポンとアイデアが出され、どんどん形になっていく。そうして、くじら焼きとのコラボは異例の早さで実現することとなる。

前田「くじら焼きについてもお願いされたわけじゃないですが、『居酒屋さんと何かやりたいんですよね』と話をされた時に、イメージがどんどん沸き起こって楽しそうだなと思っていました(笑)。ただただ楽しみたい、それだけです。キーマカレーを自分で作って持ってくるのは見る人からしたら大変そうだと思うかもしれませんが、楽しそう、それだけの感情で動いているので」

優雅に泳ぐくじらのように、くじら焼きも長崎という大海原を回遊していく。今回のキーマカレーとのコラボレーションで、さらに引き波が立ったことだろう。今後も、その波がさらに大きなうねりとなっていくことに期待したい。

とにかく”楽しむ”がモットー。
匠さんがやりたい、これからのこと

前田「今回実現した『くじら焼き』みたいな、コラボ企画があったらまたやりたいですね。考えるのが楽しかったし、ワクワクすることはどんどん挑戦していきたいと思います。メニューに関しては、よりテイクアウトの需要が増えてきているので、そこを意識したメニュー作りをしていきたい。今もやってはいるんですが、”テイクアウトできるもの”と、”テイクアウトはできないけど食べたくなるもの”という料理をちゃんと分けて、メニュー構成を続けていこうと思います」

さらに、今後やってみたいことは「ケータリング」だという。ケータリングとは、一般的に専門スタッフが常駐して指定会場のテーブルセッティングから後片付 けまでを担い、一番おいしい状態で料理を提供してくれるサービスのことだ。バラエティに富んだ料理のほか、シェフが出張して目の前で料理を作ることも可能なため、パーティーやイベントを開催する際の選択肢のひとつとして利用される。

前田「外で、焼き鳥を焼いたりしたいですね(笑)。家で焼くこともあるんですが、料理をしている景色が変わらないので、外イベントなどに出張して料理を提供できると面白そう。今後、BBQなどが平気になったらサービス代と材料代、加えて代行代を主催者にご負担していただき、自分は飲みながら焼き鳥を焼けたら最高ですよね(笑)。自分も楽しみつつ、ちゃんとしたBBQが食べられる。そんなサービスができれば面白いですよね。移動販売などもそうですが、働いている場所の景色が変わるというのは、楽しいですよね。イベントになると仕事感が増してしまいますが。こういったケータリング的にお金を少しいただいて、自分も賑わっているのを見ながら飲んで料理を作るのはとても楽しそうです。起点は、”いかに楽しくできるか”。利益よりも楽しい方が大事ですから、いや、お金の方が大事か(笑)」

一同笑。

前田「でも、食べるときはみんなで楽しみたいですよね」

楽しくいられる人のもとへ、人は集まる。楽しいは、美味しい。腕の立つ料理人ほど、料理にとどまらずに美味しく味わえる空気、空間までをも作り出す。前田さんには、それができる料理人だ。もし、前田さんのケータリングサービスがあったら、きっと最高の思い出が作れるに違いない。

ひと・みせについての詳細は以下のそれぞれの記事をご覧ください。

ひと:常に楽しいを追求している、生粋の居酒屋人。 『駅前酒場 肴や』大将 前田匠さん

みせ:妥協をしない大将が、居心地良い空間を作りだす。 大村駅前で愛され続ける『駅前酒場 肴や』

写真:小玉 大介 / 森 一峻
記事:東 孔明
取材:森 一峻

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