『尾﨑カヌレ』は、食べた後も幸せが訪れる。 波佐見町の『工芸イワナガ』特製木箱にご注目!

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長崎県川棚町で、地元民に愛される和洋菓子店『いさみ屋』。
2代目社長の尾﨑勇一さんが1年以上かけて進めてきた新プロジェクトが、ついに実を結ぶ。

『尾﨑カヌレ』は2021年秋頃のリリースがついに決定。もう、まもなく。待ちに待ったカヌレに、もうすぐ会える。内容については、今回はまだお答えすることができない。だが、写真で見る限りでは、すでに美味しそうだ。

さらに期待を膨らませるために、これだけは言っておく。

川棚生まれフランス育ちの和洋菓子職人だからこそ作れる、唯一無二のカヌレに仕上がっている。と。

デザインは、川棚町名物である『孔雀』と東彼杵町銘産『そのぎ茶』の茶畑がモチーフ。魅力的で美しい羽を広げるが如く、大地に根を張り生い茂る葉の如く、カヌレが視覚で”おいしい”を訴える。世界に一つしかない、特注の金型だからこそ成せる芸術。とくと目でも味わって欲しい。

素材にこだわり、型にこだわった尾崎カヌレ。最後に、もうひとつこだわったものがある。

それは、”カヌレを梱包するもの”のこと。

個売りとは別に、贈り物用としても販売するなら、パッケージにもこだわりたい。

そんな、熱い想いに共鳴するようにある会社が名乗りを上げた。

尾﨑氏本人が現地へと足を運び、綿密な打ち合わせのもと、食べた後も”幸せ”が訪れるパッケージが完成した。

木に触れて、その温かみを感じてほしい。
波佐見町の老舗木のパッケージ屋さん

今回、カヌレのパッケージデザインを務めたのが、長崎県波佐見町にある『有限会社 工芸イワナガ』だ。3代目社長を務めるのは岩永徳充さん(右)。家業を支える妻のみゆきさん(中央)と、息子の康央さん(左)と工場内での1枚。

岩永「陶器やそうめん、お酒といったギフト用の木箱やトレーなどの木製製品を手掛けております。お客様のご要望のサイズで、1個からでもお作りします。どうぞ、お気軽にご相談ください」

成り立ちは、もともと陶器を包む木箱の制作からだったと言う。

岩永「私の父の社歴は60年になろうとしています。もともと、自動車を修理して販売していたんですが、脱サラして起業しました。全く違う畑からの挑戦だったので、3日間ぐらい同業者のもとで学んだそうです。当時、焼き物店は数多くありましたが、木箱を作る業者は少なかった。そこから、高度成長と一緒に右肩上がりに陶器は売り上げを伸ばし、ギフトカタログのベスト10に入るほど、弊社も潤いました」

しかし、バブル経済が崩壊。平成に入ると、焼き物業界でも倒産する店が出始めた。

岩永「そこから、陶器だけでは食べていけなくなり、人間の生活において衣食住が大事だということで、食の方に営業を開拓していきました。現在、食品と陶器のウェイトは半々くらいです。食品の例で言うと、島原そうめんの木箱。今後は、今やっていることをどう継続していくかが課題です」

地方の町工場などでは、後継者問題に悩む企業も多い。労働力はもちろん、新しい風を吹かせられる若者がいないという理由で、やむなく規模縮小したり……。

しかし、工芸イワナガでは後継者に希望を見出す。息子である康央さんが、家業を継ぐべく帰ってきてからはホームページを一新し、新たな試みにもどんどんチャレンジしている。

そのひとつが、『贈った後も使えるパッケージ』だ。

「贈った後も、その人がずっと使えるようなパッケージ作り」が、当シリーズのコンセプト。写真は、5束入りのそうめん袋が3段入る『そうめん木箱』だ 。

コンパクトなサイズに仕上がっていて、シンプルなデザインは飽きがこない。

岩永「底面と蓋が同じ形状になっているので、何度ギフトで頂いても段重の箱のようにして使うことができます。また、変色が目立ちにくいモミ材に塗装を施しているため、液体がかかっても拭き取れば大丈夫です」

ということは、下写真のように蓋をトレー代わりにすることも可能だ。

たとえば、デスク上に散らばった筆記用具をまとめてみる。
スタイリッシュな筆箱へと早変わりだ。
シンプルゆえに、いろんな活用が考えられる。

岩永「使用後は、オリーブオイルを塗り込むなどお手入れをしてあげると、繰り返し使えますよ。他にも、このようなシリーズを定期的に出しています。木箱の活用方法は様々。たとえば、箱の中にお菓子を入れ、蓋をトレーにして湯呑みと小皿、スプーンを置けば素敵な和風カフェを味わえます。他にも、このご時世に必要なマスク入れとして、使用できるパッケージデザインにしたりもしました」

ものを”捨てない”という観点は、今後の社会において重要だ。資源は無限ではなく、有限。昨今では、環境問題といったSDGsも叫ばれている。だからこそ、贈った後も長く使えるパッケージは、今の時代のニーズに合っている。こだわりがあるからこそ、今回のプロジェクトと共鳴し、『尾﨑カヌレ』のパッケージとして最高の”マリアージュ”を果たしたのだ。

岩永「贈りものとして箱でもらうというのは、贈られた側も嬉しいんじゃないかと思うんです。我々も、今回のカヌレ然り、そういう贈りものを包む木箱について色々考えます。梱包材代まで払ってでも欲しいというお客さんはいるはずなので。今回の木箱が襖のように開ける仕様になっており、そこに入れてあるロゴデザインが持ち手みたいなイメージになってるのも良いですよね」

工芸イワナガは、さらなる試みを目指す。キーとなるのは、製作時に出る『廃材の利用』。物を作る上で逃れられない廃材を、どのように利用し価値あるものへと昇華させることができるのか。

今後の取り組みを、くじらの髭で追っていく予定だ。

こちらも、ぜひお楽しみに。

贈りものには、”お福分け”の心で。
『尾﨑カヌレ』を、あなたのたいせつな人に

木は土に根ざし、長い歳月を経て生きる。ひとつひとつ模様が異なり、味わいがある。

そんな木から作られた箱は、昔から生活や仕事の道具として人々と関わってきた。合理的で低コストな新素材が次々に開発される中で、いま一度木のぬくもりやあたたかさに触れて感じて欲しい。それが、贈りものであるならなおのことだ。

岩永「たいせつな人に贈るものだからこそ、全てを使えるものにしたい」

そんな考えで、商品を包むものまで拘ったのが、今回のプロジェクト。梱包物であろうと、こだわりから創られたものには人を幸せにする力がある。

結婚、出産、入学、誕生日などの祝い事。季節の挨拶やお返し。日頃の感謝の気持ちを表して。人生の中で、贈りものを贈る場面はいくつもある。できれば、その場面にふさわしいものを送りたい。贈りものには、幸せを分かち合いたいという“お福分け”の精神が宿る。

『尾﨑カヌレ』が贈られる人に、どうぞ福がもたらされますように。

このプロジェクトの内容はいさみ屋のみせ・ひと・ことの詳細をご覧ください。