満を時して、商品とリリース日がついに決定! 【発売日:2021年10月29日〜】和洋菓子処いさみやの『尾﨑カヌレ』プロジェクト

写真

編集

東彼杵3町・上五島が町が連携した商品開発「尾﨑カヌレ」プロジェクトがいよいよ販売へ

川棚町の老舗和洋菓子処『菓舗 いさみ屋』。地域住民から愛されるお菓子を提供し続ける2代目和洋菓子職人の尾崎勇一さんは、2020年から新たにプロジェクトを始動。1年以上の歳月を経て、新商品『カヌレ』をついにリリースする。

16世紀にボルドー地方の女子修道院で作られていたという説もある古きフランス伝統焼き菓子のカヌレ(Cannele de Bordeaux)。卵黄やバター、牛乳、薄力粉、砂糖などの基本材料に、ラム酒等で香りを加えたものを蜜蝋を塗った専用の型に詰めて焼き上げる。表面はカリカリ、中はしっとりの生地がなんとも特徴的だ。

カヌレとは『溝のついた』という意味で、焼き型に縦の溝が入っていることからその名がつけられた。

金型に液体を流し込んで焼き上げるため、その名の通りにカヌレを作るにおいて”型”が何より重要となるのだが、完成に近づいた段階で型の製造が難航するという問題に直面した。

本来のカヌレの型であればすぐにでも販売できた。しかし、新商品ということで型についても話し合いを重ねて拘り抜いたため、やむなく販売時期を延期することに。それだけ、このプロジェクトと、完成した味に自信があった。賭ける想いの強さ故の決断だった。そして、その決断は報われることになる。川棚町の名物である孔雀の羽と東彼杵町の茶畑をイメージし町の連携をイメージした、唯一無二のいさみやオリジナルの金型がついに完成したのだ。ようやく、尾﨑カヌレプロジェクトは最終局面へと移行する。

いさみ屋がこだわり抜いた『3』種類のカヌレ昔から、数字には神秘的な意味が込められていると世界中で考えられてきた。特に、『3』という数字がもたらす言葉や意味は各国で多く使われている。三位一体、三種の神器、三本の矢。オリンピックでは3人の選手がメダルをもらえ、世界三大〇〇や〇〇BEST3という代表の挙げ方。ミシュランは3つの星でレストランを評価し、カップヌードルは3分で食べられて、ウルトラマンの活動時間は3分だ。気づけば、世の中には3という数字で溢れかえっている。いさみやも、今回のカヌレにおいて三種類の味を打ち出すことに決めた。ホワイトチョコに抹茶、ほうじ茶、そして五島の矢堅目の塩を練り込んだカヌレ三兄弟。ひとつずつ、順に見ていこう。

Fortheesの極上そのぎ抹茶

商品コンセプトは『そのぎ茶を感じるお菓子』。カヌレの基本の配合をベースに、上手くお茶を組み合わせた。「抹茶の味が嫌いな人はそもそも買わないから、どうせならもっと濃厚に」。そうして、味に抹茶感をより強く出すように配合バランスを寄せていった。

今回のお茶とのコラボ商品を作るため、「もともとお茶には興味があった」と語る尾崎さん自身も心身気鋭の碾茶工場FORTHEESへ出向き、直接生産者の話を聞きに行った。その熱量が、抹茶の特性を最大限に活かした味に反映されている。菓子づくりの範疇を超えた仕上がりとのことで、抹茶と名のつく菓子は多かれど、そこまでお茶に特化した菓子はなかなか珍しいという。抹茶好きと自称される方にはぜひ食べてもらいたい一品だ。

くじらの髭の碾棒(てんちゃ)ほうじ

Fortheesから生まれた抹茶の原料となる碾茶の茎の部分を焙煎したくじらの髭のほうじ茶を『碾棒(てんちゃ)ほうじ』と呼ぶ。抹茶独特の粉みとロースト感のある香りが特徴だが、匂いを嗅ぐとフルーティーで、口当たりはいたってまろやか。東彼杵町内の碾茶工場「Forthees」で扱っている碾茶から生まれたもののため、他では出回らない珍しい種類のほうじ茶となる。現在、購入できるのは東彼杵町にあるくじらの髭だけだ。

ほかではあまり見られない、ほうじ茶をふんだんに使った香り高いカヌレ。「抹茶も良いけど、ほうじ茶特有の香ばしさを楽しみたい」。そんな方におすすめできる一品に仕上がっている。

上五島の矢堅目の塩

長崎県五島列島、上五島の奈摩湾入り口に位置する「矢堅目」。この地では、その昔、奈摩湾に侵入してくる外敵を見張るために、矢(守備兵)で堅(砦)めていた歴史があるという。そんな矢堅目で生まれる塩は、五島近海で採れる海水100%を原料としている。古代から伝わる伝統製法で、充分な時間と手間を掛けて精製される塩は、旨味・まろ味・甘味を最大限に引き出された唯一無二の存在感で主張してくる。

手間隙をかけて、何より海を愛し、自然を愛する気持ちで生み出された矢堅目の塩。素材の味を引き出してくれる塩は、甘味との相性も抜群に良い。「カヌレそのものを味わい尽くしたい」。そんなこだわりを持つ方には、もってこいの一品だろう。

9月に行われた特別招待制販売会を経て、10月29日に一般リリースがスタートする。それぞれ、一個260円(税込み)で販売予定。また、波佐見町にある木のパッケージ屋、工芸イワナガ特注の木箱に詰めた3種×3個=9個入りアソート版は2800円(税込み)。尾﨑カヌレを食べた後も、木箱がインテリアとしても使えるので贈り物としてもぴったりだ。 くじらの髭×いさみ屋が今秋に贈る、3種類のコラボカヌレ。それぞれ、ぜひとも食べてみたいものだ。898種類をコンプリートするのは至難の業だし、48人もの名前を覚えるのだって辛い。31種類の味の氷菓を食べ比べるとなると、きっとお腹を下すことになろう。その点、3種類であれば食べ比べることもできるし、一つ一つの味の思い入れが強くなるに違いない。3人が揃ったら、どれが一番推しなのか議論したって良い。もし、言い争ってもそれぞれが好きな味を相手の口の中に放り込んであげれば、きっと仲直りだってできるに違いない。なんだか、想像するだけでワクワクだ。新しいものは、いつだってワクワクさせてくれる。完成までもう少し。楽しみでならない。

みせ・ひと・こと・ものについての詳細は以下の記事をご覧ください。